2 合成樹脂h
【合成樹脂】
松脂や漆などの樹木または動物から得られる粘性のある物質のことを天然樹脂いう。それに対して,石油由来の単量体を重合させた物質を合成樹脂またはプラスチックという。
【熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂】
熱可塑性樹脂
合成繊維と同じように〔 鎖式 〕構造をもつ高分子化合物で,熱を加えると軟らかくなり,冷やすと硬くなる樹脂を〔 熱可塑性樹脂 〕という。使いやすので,広く利用されている。熱可塑性樹脂は主に〔 付加重合 〕によってつくられる。
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その他,ポリエチレンテレフタラート(PET)などの〔 ポリエステル 〕系樹脂,ナイロン66,ナイロン6などの〔 ポリアミド 〕系樹脂は〔 縮合重合 〕によってつくられる熱可塑性樹脂である。
熱硬化性樹脂
〔 立体網目 〕構造をもち,加熱しても軟らかくならない樹脂を 〔 熱可硬化性樹脂 〕という。食器・家具・家電製品や接着剤に用いられる。
@フェノール樹脂
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フェノールとホルムアルデヒドに触媒を加えて加熱すると重合が起こり,フェノール樹脂が生成する。この重合反応は付加と縮合が連続的に起こるので〔 付加縮合 〕という。フェノールとホルムアルデヒドで付加反応が起こるとフェノールのベンゼン環のo位(2位)やp位(4位)に−CH2OHが結合したものができる。次にこれらの化合物が別のフェノールと縮合していく。このようにしてできた物質が次々とホルムアルデヒドと付加,フェノールと縮合を繰り返していく。
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触媒に酸を用いると〔 ノボラック 〕,触媒に塩基を用いると〔 レゾール 〕という重合度の低い物質が得られる。これらを加熱処理すると網目構造の樹脂になる。
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Aアミノ樹脂(尿素樹脂,メラミン樹脂)
〔 アミノ 〕基をもつ尿素 (NH2)2COやメラミンC3N3(NH2)3と〔 ホルムアルデヒド 〕を付加縮合させると,立体網目構造をもつ尿素樹脂(ユリア樹脂)やメラミン樹脂になる。主に接着剤に使われる。
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Bアルキド樹脂
無水フタル酸などの多価カルボン酸無水物とグリセリンなどの多価アルコールを縮合重合させ,鎖状の重合体とする。この重合体には−OHが残っているので,脂肪酸などを加えエステル化するなどしてさまざまな性質を持たせた樹脂。エステル結合を多数もつポリエステル系樹脂である。接着剤などに用いられる。
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Cシリコーン樹脂(ケイ素樹脂)
ジクロロジメチルシラン(CH3)2SiCl2やトリクロロメチルシランCH3SiCl3などと水からアルコールをつくり,これらを縮合重合させるとシリコーン樹脂になる。
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